お知らせ
民報9 <疑似体験>あなたは喪主です   その9
2010 年 9 月 25 日
うちは家族葬でやりたいんだよなぁ・・・・
信じる者は救われる?求めよさらば与えられん?試行錯誤の末に「あなた」はやっと満足のいく葬儀社に巡り合えました。でも安心するのはまだ早い!いよいよ故人様、人生最大のクライマックスたる大舞台の始まりです。良きパートナーとして任命した葬儀社のスタッフと共に、様々な事柄を迅速かつ思慮深く決めて行きましょう。原則「あなた」の希望は全てOKの筈です。何故ならば、我々葬儀社はまずお客様の希望有りきでプランニングするからです。そのご希望を叶える為に必要な事柄を示唆し、消化しなければならない問題点を列挙、解決していくのが我々葬儀社の仕事です。実際の打ち合わせ現場では次のようなやり取りが交わされます。
◆どの程度の規模のご葬儀をお考えですか?
◆お身内様は何名様ほどでしょう?又遠方からお越しになる方はいらっしゃいますか?
◆装飾に関してのご希望はありますか?
◆宗教はいかにお考えですか?仏式であれば宗旨宗派は?
◆施行場所、日程のご希望はありますか?
◆故人様が生前お好きだった事、食べ物や趣味はありましたか?
◆ご遺影にするお写真はお決まりですか?
◆振る舞いのお料理やお香典返しに関してのご希望やお考えはございますか?
◆基本的なことですが、喪主様はどなたがお勤めですか?
◆その他のご希望事項はありますか?
これらはほんの一部ですが、まだまだ多くの聞き取りをさせて頂きます。
私はよくご葬儀を映画に例えてご説明します。喪主たる「あなた」はプロデューサー、言わば金庫番ですね。葬儀社は監督です。支えてくれているお花屋さん、料理屋さん、ギフト屋さん等々専門業者様は大道具小道具係りであり、これまた重要な部署です。更に物語を綴るに当たって必要不可欠なのは起承転結、5W1Hの法則を押さえ基本に忠実な物語にしますか?それとも演出効果を狙った個性的な味を出しますか?皆さんで知恵を出し合い、主人公である故人様の人生そのものを、観客である弔問の皆様にご披露しましょう。そして故人様が皆様に伝えたい「ありがとう」のメッセージを確実に伝えること、これこそが我々の役目ではないでしょうか。臆することはありません。故人様ご本人を一番良く知っている「あなた」はまた、ご本人の葬儀の内容をどうすることが本意であるのか、よくご存知だと思います。後にその大役を無事果たされたであろう事は、必ずご親族や弔問のお客様のお顔つきに表れる筈です。とは言うものの「あなた」はプロデューサー、予算の事も決して忘れてはならない重要事項なのです。限られた予算を明示し、その範囲でできる最大限のご葬儀を監督に託してください。我々は喪主様のお身内となり責任を持ってご予算をお預かりします。そして我々は1円たりとも無駄に使うことは許されないことを肝に銘じなければなりません。
近年「家族葬」という呼称をよく耳にされることと思います。家族だけで静かにゆっくりと・・・そんな思いがこの呼び名に垣間見られます。実際にご家族だけで執り行う方も年々増加傾向にあり、ご葬儀の一般的な形式になるのも時間の問題かと思われます。先に列挙した様々な質問事項を「家族だけでゆっくりと」という心情に乗せて考えてみると、これから行おうとしているご葬儀の中身が少しイメージできませんか?そのイメージを実現すべく段取り、準備、修正、手配、そして式当日「あなた」が故人の代弁者としてお客様を迎え、メッセージを伝える・・正にこれが喪主様の最大の仕事であり、我々はそれをお手伝いできる唯一無二のパートナーであり続けなければならないと考えています。
いよいよ明日、「あなた」はお式当日を迎えます。信頼できるパートナーとの最後の打ち合わせを済ませ、今夜はゆっくり休みましょう。「あなた」がこれまでの生涯で一番優しい瞳で、一番大切なその人をお見送りする大事な一日が待っています・・・・
さぁ、次回はいよいよ最終回です!
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