お知らせ
民報10 <疑似体験>あなたは喪主です   最終回
2010 年 10 月 25 日
いつもと変わらない窓の景色を眺めながら朝のお茶をすする「あなた」いよいよ今日はお通夜の日です。降って湧いたような突然の訃報から今日まで、長かったような短かったような不思議な感覚を体験していることでしょう。良い葬儀社と巡り合うこともでき、準備は万端です。それでは、今日明日の時間の流れをおさらいしてみましょう。
午前中は特に何もありませんが、落ち着かない事この上無いでしょう。持ち物のチェックなどに勤しんでみては?普段革靴をはきなれない方は、必ず事前に靴を確認してください。長い間仕舞い込んでいた革靴は靴底がもろくなっており、通夜式直前にその靴底がぼろぼろ剥げ落ちるというアクシデントがよくあります。小物類の忘れ物ランキング1位は、なんと言っても数珠です。なけりゃ無いでなんとかなる・・と言ってしまえばそれまでなんですけどね~ 式場に持っていく現金は極力少なめにしましょう。多額の現金は事故の元です。但し、お布施は当日お渡しする場合と後でお届けする場合がありますので、事前の確認が必要です。(これは葬儀社がお客様に説明する重要事項ですが)その他必要な持ち物は弊社の場合一覧表にしてお渡ししますので、それに沿って確認して頂くことが肝要です。ひと通り確認できたら、少し早目の昼食タイム、二時に葬儀社が故人様をお迎えに来る手はずです。納棺を済ませご自宅をご出発するのがおよそ3時頃ですが、この時には皆様はお見送りのみです。どなたもご遺体と同行は致しませんのでご注意の程を。所沢市斎場の親族控え室が開放されるのは午後4時半ですので、その時間を見計らってご来場下さい。我々葬儀社は3時半から式場に入り準備を始めます。喪主である「あなた」は式場に着いたならば、まずは式場内の飾り(祭壇関連)のチェックから入ります。直接式場に来られるご親族様、もしかしたらあなたより早めに到着しているかもしれません(よくあるパターンです)この後暫くは、久しぶりに顔を合わせるご親族の皆様へのご挨拶やお相手に奔走することになりましょう。皆様から頂いた供花の名札を確認、札の刺し順を指定するのも大切なお役目です。弔電が式場に届けられるのもこの頃です。あっという間に1時間が過ぎ、午後5時半、お寺様が到着です。専用控え室に入った僧侶にご挨拶の為、葬儀社があなたをご案内するのが5時40分、10分程度でお部屋を出たならば間髪入れず式場でご親族の席順を指定しなければなりません。開式5分前、駆け付けた旧友への挨拶や、来る予定の方がまだ来ない等のアクシデントが発覚するのもこの5分少々という短時間の間です。そして定刻、司会者の開式宣言と共に通夜は厳かに始まるのです。喪主の焼香、親族焼香、一般弔問焼香と恙無く進み閉式するのが約1時間後となります。(一般弔問客の人数にもよりますが)他のご親族と共にお清めの部屋に上がり飲み物の栓を抜く・・注がれた液体を喉に流しこむと、これまでの緊張感から一気に開放される瞬間です。故人様との最後の晩を心置きなく過ごしてください。そして明日、全てのお役目を勤め終えたあなたは、これまで一緒に過ごした時間を故人様と共に振り返り、最後のお別れを言わなければなりません。でも、告げるのはお別れだけですか?
今日まで本当にありがとう
お疲れ様だったね ゆっくり休んでおくれ
言いたい言葉は山ほどあるでしょう。心の奥底にあるその気持ちを一つ残らず捧げる為にも、今夜一晩ゆっくりと偲んで明日の告別式をお迎え下さい。
人を思うと書いて、「偲ぶ」故人様を一番思ってあげられるのは、間違いなく「あなた」であるはずです。
私達は、故人様と「あなた」とのご両名に心からの労いの言葉をお捧げいたします。
本当に、本当にお疲れ様でした・・・

一年間に渡りご愛読頂きましたこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。来年からは目先を変え、新たな企画で現代のお葬式事情を解り易く解説してみようと思っております。どうぞお楽しみに
注釈 今回の時間経過の説明は、所沢市内にお住まいの方が市営斎場を利用した場合の一般的な例です。状況により多少変化することもありますのでご注意下さい。
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